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フィジカル測定のフィードバックは、記録を配った時点では終わりません。スプリントやジャンプを測定して結果を渡しても、選手が次の練習で何を意識するかまで伝わっていないことがあります。
数字の一覧には記録が残りますが、その意味や次の課題は、比較の仕方と会話によって変わります。今回の記録を過去や基準と比較し、本人の感覚も確認する。そのためのレポートは、一種目から作り始められます。この記事ではCORISEでの活用を想定し、載せる情報とグラフの選び方を紹介します。
最初は、種目名と測定日、今回の記録、前回からの変化をそろえます。チーム内順位やスコアを使う場合は、何と比較した結果なのかも示します。
以下は架空の表示例です。順位とスコアも説明用の仮値であり、実際の選手の結果や全国基準ではありません。
種目 | 今回の記録 | 前回からの変化 | チーム内順位 | スコア |
|---|---|---|---|---|
10mスプリント | 1.85秒 | 1.90秒から0.05秒短縮 | 同日測定42名中8位 | 5段階中4(チーム基準) |
前回差を「−0.05」とだけ書くと、良くなったのか悪くなったのかを迷う選手もいます。タイムなら短縮、跳躍高なら増加という言葉を添えると伝わりやすくなります。
ただし、記録の差がすべて能力の変化を示すとは限りません。計測機器、スタート方法、路面やウォーミングアップなどの条件をそろえ、測定のばらつきも踏まえて解釈します。測定条件が変わった場合は、そのことを記録に残します。
チーム内順位は、その集団の中での位置です。スコアは、設定した基準に対する評価です。本人の記録が良くなっても、周囲がさらに改善すれば順位は下がることがあります。順位だけで本人の進歩を判断しないようにします。
順位を示すときは、同じ測定回、同じ条件の集団を母集団にします。異なる日付や学年を含める場合は、その範囲を明示してください。一人が複数回測定したときも、ベスト値と平均値のどちらを採用するかをそろえます。
CORISEで評価基準マスタやカスタムスコアを使う場合は、基準値と評価の方向を確認します。タイムは小さいほど高評価、跳躍高は大きいほど高評価、という違いがあります。境界値と同じ記録をどちらに含めるかも決めておくと、設定の確認ができます。
「全国上位20%」と表示するなら、全国のどの集団を、いつ、どの方法で測った基準なのかが必要です。自チームの上位20%を全国基準と表記することはできません。比較できる外部基準がない場合は、チーム基準や本人の過去の記録として説明します。
CORISEでは複数のグラフを組み合わせて、ダッシュボードやレポートを構成できます。CORISEのグラフとレポート
例えば体重を題材にしても、次のように異なる確認ができます。各図の対象者や期間は、タイトルや注記で明示します。
知りたいこと | 適したグラフ | 設定とタイトルの例 |
|---|---|---|
本人の記録はどう変化したか | 折れ線 | 横軸は日付、縦軸は体重kg。「本人の体重推移」 |
学年ごとの平均はどう違うか | 棒 | 同じ測定日の学年別平均。「体重の学年比較」 |
身長と体重の組み合わせはどう分布するか | 散布図 | 横軸は身長cm、縦軸は体重kg。「身長と体重の関係」 |
チームのどの体重帯に人数が集まるか | ヒストグラム | 横軸は体重帯、縦軸は人数。「チーム全体の体重分布」 |
散布図で四象限を表示するなら、基準線の意味も説明します。チーム平均で区切った場合に分かるのは、平均より高いか低いかです。その象限にいるだけで、体格が適切か、競技力が高いかまで決まるわけではありません。
棒グラフで量の差を比較するときは、原則として縦軸を0から始めます。折れ線で小さな変化を見るために範囲を狭める場合は、目盛りと単位を明示します。見た目の差が、そのまま身体的な変化の大きさを表すと誤解されないようにします。
最初に、フォームやデータテーブルで選手、測定日、種目の記録をそろえます。数値項目には単位を設定し、計算で作った項目もマスタ側の単位を確認します。
次にレポートで、今回の記録を示す表示と、過去の推移を見る折れ線グラフを配置します。順位やスコアを加えるときは、元になる集計条件と評価基準を確認してください。すべてを一つのウィジェットに詰め込まず、読み手が追える順番に並べます。
特に順位は、集計する集団と、個人へ見せる内容を分けて考える必要があります。集計対象そのものを本人一人に絞ると、チーム内順位の意味が失われることがあります。作成後は、本人の記録、順位の母集団、他の選手の情報がどこまで見えるかを、共有する画面で確認します。
一種目で表示と比較条件を確認できてから、ほかの種目へ広げれば、設定の取り違えを見つけやすくなります。測定データ以外もまとめて扱いたい場合は、アスリートマネジメントシステムの機能と選び方もあわせてご覧ください。
選手との会話では、まず記録として確認できた事実を伝えます。先ほどの架空例なら「同じ方法で測った前回の1.90秒から、今回は1.85秒になった」と説明します。そのうえで、スタートや加速の感覚、練習で意識したことを聞きます。
一回の記録だけで改善の原因を決めつけず、指導中の様子や本人の話と照らし合わせます。次の測定までに何を続け、何を確かめるかを一つ決めておくと、後から振り返る論点が明確になります。
例えば「次回も同じスタート方法で測り、最初の数歩で意識したことを記録に残す」といった形です。本人の課題に合わせて具体化し、次回の面談でも同じ点を振り返ります。
レポートを作るときは、掲載する数値と同時に、面談で聞きたいことを考えてみてください。選手に見せた後の会話まで想定すると、必要なグラフを選びやすくなります。
CORISEでは、現在の測定項目や共有方法に合わせたレポート作成をご相談いただけます。まずは一種目の測定結果を使って、選手へどう伝えるかを検討してみませんか。