光電管の開発秘話④ : 3Dプリンターから「本物の筐体」への変貌

公開日:

2025.9.29

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開発当初、私たちの光電管タイム計測器は3Dプリンターで出力した、いかにも「試作品」といった姿をしていました。形にはなっているけれど、現場で使うには心もとない。けれど、この小さな試作機を手に取りながら私たちはいつも考えていました。

「現場の人が本当に求めているのは、どんな光電管なんだろう?」

答えは明確でした。
それは 小さくて、軽くて、給電が簡単で、多機能 なもの。


現場の理想像を追いかけて

特に「小さい」というのは、現場の声として強く感じていました。
重たい機材を抱えて移動するのはストレスです。だからこそ「胸ポケットに入れて持ち運べる光電管タイム計測器」を実現したいと強く願いました。

既存の製品はどうしても大掛かりでした。大きな電光掲示板を備えたり、独自のコントローラーを必要としたり。確かに高機能ではあるけれど、どこか「使う人の生活」に寄り添っていないように思えたのです。

「スマホで操作できればいいのに」
その直感こそが突破口でした。


スマホがすべてを変える

例えるなら、テスラです。
従来の車には当たり前に「鍵」が必要でしたが、テスラはそれをなくし、スマホで全てを管理できるようにしました。スマホは今や誰もが持ち歩く必需品。その普及を前提に設計したからこそ、圧倒的な利便性が生まれたのです。

私たちの光電管も同じです。
煩わしいコントローラーや重たい電光掲示板はいらない。
「光電管本体」と「スマホ」さえあれば測定できる。
そうした「ガジェット的なスマートさ」を持つ光電管タイム計測器を目指すことにしました。


秋葉原での探索の日々

では、どうすれば胸ポケットに入る光電管を作れるのか?
その答えを探すために、私たちは何度も秋葉原に足を運びました。

小さな電子部品店を巡り、ケースを手に取り、サイズを測り、時にはその場で工具を使って穴を開ける。
「これなら基板が入るか?」
「ここに光電センサーを仕込めるか?」
そんな試行錯誤を延々と繰り返しました。

気づけば、秋葉原に通った回数は数えきれないほど。手元には穴だらけになった試作用のケースが山のように積み重なっていました。

でも、不思議と苦労とは感じませんでした。
「本当に使いやすい光電管を作りたい」
その想いだけで、夢中で取り組んでいたのです。


プロトタイプが生まれた瞬間

そしてついに、ジャストサイズのケースに出会いました。
基板がぴたりと収まり、持ち運びにも最適な大きさ。

私たちはすぐに加工を施し、試作品を組み立てました。
完成したプロトタイプを手にした瞬間、胸が高鳴ったのを今でも鮮明に覚えています。

「これなら、測定をもっと身近にできる!」
メンバー全員が興奮し、互いに顔を見合わせ、言葉にならない喜びを噛みしめました。

あの小さな3Dプリンター出力のケースから始まった挑戦が、ついに「現場で使える形」へと進化したのです。


「本物」への進化

その後は専門業者に設計図を渡し、安定して供給できる体制を整えました。
私たちの想いを形にしてくれる職人たちとの協業を経て、ようやく 「理想の筐体」 が完成しました。

3Dプリンターで生まれた未熟な試作品が、
秋葉原での試行錯誤を経て、
ついに「現場に届けられる本物」へと変貌を遂げた瞬間でした。


この筐体の完成は、単なる部品の改良以上の意味を持ちます。
それは「光電管をもっと身近にする」という私たちの信念を体現した象徴でした。

胸ポケットに入るサイズの光電管タイム計測器。
それを取り出し、スマホとつないで、すぐに測定が始まる。
そんな未来を描いていた私たちにとって、この完成は何よりの感動でした。

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