

公開日:
2025.9.24
現場で使う人の立場に立ったとき、私たちが最初に考えたことは、「迷わないこと」 でした。
スポーツ現場は、常に時間との戦いです。限られた練習時間の中で、ウォーミングアップから戦術練習まで分刻みのスケジュールが組まれています。そこに「アプリが立ち上がらない」「設定に時間がかかる」などのストレスがあると、それだけで現場に嫌われてしまう。
だから、私たちは開発当初から「アプリを開いた瞬間に使える」ことを絶対条件に掲げました。
ボタンを押して、はいスタート。誰でも直感的に操作できる。余計な説明がいらない。
いわば「測定アプリ界のストップウォッチ」を作りたい、そんな気持ちでした。
しかし、ただシンプルなだけでは面白くありません。
「どんなに使いやすくても、従来品と変わらなければ意味がない」
そんな声が、開発チームの中から必ず上がります。
そこで私たちが挑戦したのが、「チャンネル自由設定」 という機能でした。
従来のblowerや市販の光電管では、ゲートごとにペアが固定されていました。
たとえば「1-2-3-4」といった具合です。一見シンプルですが、現場では思いのほか不便でした。
「1では505テスト、2はアローヘッド」
「スプリントレーンを2つ作りたい」
そんなニーズに柔軟に対応できないからです。
そこで私たちは考えました。
「ゲートごとにチャンネル番号を割り振り、好きな番号をペアにできるようにしたらどうか?」
結果として、仮に6台の光電管があったとしても
1と2をペア → 基本のスプリント計測
3と4、5をペア → ロングスプリントや種目特化の測定
6だけ → アローヘッド
といった具合に、自由自在にレーンを組めるようになりました。
これは、まさに「現場の声から生まれた発明」だったのです。
もちろん、このアイディアがスムーズに実装されたわけではありません。
「シンプルさを残しながら、自由度をどう担保するか」
「誤作動をどう防ぐか」
「UIをどう設計するか」
議論は何度も煮詰まり、ときには声を荒げることもありました。
「これじゃ使いにくい!」
「いや、ここはこうすべきだ!」
開発室では、真剣な「喧嘩」に近いやりとりが繰り返されました。ですが、不思議なことに、誰も不満を持っていたわけではありません。むしろ、それだけ本気で「最高のものを作りたい」という気持ちの表れでした。
振り返れば、あの白熱した日々こそが、一番の財産だったのかもしれません。
お互いの意見をぶつけ合い、削ぎ落とし、最後に残ったのは「本当に必要な機能」だけでした。
👇は当時のデザイン案です

そうして出来上がったアプリは、
開いた瞬間に使える直感的な設計
誰でも迷わず操作できるシンプルさ
そして、現場を驚かせる「チャンネル自由設定」
という、理想の形になりました。
ある現場で試験導入したとき、指導者から言われた言葉を今でも覚えています。
「こんなの欲しかったんだよ。なんで今までなかったんだろうね」
その一言で、全ての苦労が報われた気がしました。
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