

公開日:
2025.10.9
20年という長きにわたり名古屋高校サッカー部を率い、近年では全国高校サッカー選手権大会ベスト8進出も果たすなど、チームを強豪へと押し上げた山田監督。英語科教員という異色の経歴を持ち、常に新しいアプローチを模索し続ける指揮官に、指導者としての哲学、フィジカル測定導入の背景とその効果、そしてチームの未来について伺った。
山田 武久監督
愛知県出身。大学までゴールキーパーとしてプレー。22歳で教員となり、名古屋市立の高等学校に勤務。愛知県選抜チームのGKコーチなどを経て、2007年より名古屋高校サッカー部を指導し、今年で20年目を迎える。英語科の教員でもある。
愛知県名古屋市の出身で、小学校4年生からサッカーを始め、ゴールキーパーとして大学までプレーしました。22歳で教員になり、最初は名古屋市立高校の夜間定時制で教えながら、週末は名東高校でコーチとして指導経験を積みました。その後、国体の県選抜GKコーチなどを経て、ご縁があり名古屋高校へ移り、今年で20年目になります。
明確に「監督になろう」というきっかけがあったわけではありません。ただ、私自身が英語科の教員であることから、「英語」と「サッカー」という2つの国際言語を掛け合わせ、世界で活躍できる選手を育てたいという思いがありました。保健体育科の先生が部活動の指導にあたることが多い中で、少し違った切り口で高校サッカー界を盛り上げられないか、と常に考えていましたね。
以前、スペインの方と話した際に「サッカーは科学であり、学問だ」という言葉を聞いたことが、ずっと頭に残っていました。日本のサッカーは、これまで経験則や「根性論」で語られる部分が多かったように思います。しかし、サッカー先進国では、すでにサッカーを科学的に分析することが当たり前になっています。客観的な「数値」という、もう一つの視点を取り入れることが重要だと感じ、愛知県内でもかなり早い段階でフィジカル測定の導入を決めました。
一番の理由は、測定したその日のうちにフィードバックをもらえるスピード感です。数値をただ知るだけでは意味がありません。その数値をもとに選手自身が何を考え、どう日常の行動を変えていくか、つまり「行動変容」こそが最も重要だと考えています。
他社のサービスでは、結果が返ってくるまでに時間がかかりましたが、御社のサービスでは即日フィードバックをいただけます。そのおかげで、選手たちの意識がすぐに変わり、翌日には行動が変わる。その姿を実際に目の当たりにして、「これだ」と確信しました。
また、光電管タイム計測器やジャンプマットを使用した信頼性の高いデータが取れることも魅力の一つだと思います。
例えば、測定でジャンプ系の能力に課題が見つかった選手たちがいました。フィードバックで「縄跳びが効果的かもしれない」というアドバイスをいただいたところ、次の日には何人もの選手が自主的に縄跳びを購入し、グラウンドで練習を始めていたのです。データという客観的な根拠が、選手たちの心に響き、主体的な行動を引き出した良い例だと思います。

「現状維持は衰退」という考えが根底にあります。だからこそ、毎年必ずチームに何かしらの「変化」を加えるようにしています。たとえ上手くいっていることであっても、あえて一度それを壊し、また新しいものを作り上げていく。そうすることで、組織が劣化するのを防ぎ、常に活性化した状態を保てると信じています。例えば、ユニフォームのデザインも毎年変えています。全国大会に初出場した際には、それまでエンブレムしか入れていなかった胸に「NAGOYA」という文字を大きく入れました。こうした新しい試みに対しては、周りから「また何かやっている」といった声も含め、賛否両論あります。しかし、ネガティブな意見でさえも、我々が「意識されている」証拠。無視されることが一番つらいので、どんな反応もポジティブに捉えています。変化に対して、私自身に恐怖心は全くありません。
以前はボールを繋ぐスタイルを追求していましたが、なかなか勝ちきれない時期が続きました。そこで現在は、ロングボールやセットプレーを多用し、失点を抑えて最後の1本に懸けるという、「勝負にこだわる」スタイルを明確にしています。
選手たちの強みは、本校の「文武両道」の精神にも通じる「自律した姿勢」です。学習もスポーツも、自分の弱点を分析し、それをどう克服し、強みをどう伸ばしていくかを考えるプロセスは同じ。選手たちが自ら課題を見つけ、主体的にトレーニングに取り組める点が、我々の最大の武器だと考えています。
チームとしては「全国優勝」を目標に掲げています。プリンスリーグで力をつけながら、選手権のようなカップ戦で日本一を獲る。それが私の長年の願いです。
「県大会まであと一歩」「ベスト4の壁が破れない」といった、”もう一歩”が届かないチームにこそ、フィジカル測定の導入をおすすめしたいです。精神論だけでは越えられない壁を、データという客観的な視点から分析し、足りない部分を可視化するとで、選手たちの成長を後押しできるはずです。それが、チームを次のステージへと引き上げる大きな力になるのではないでしょうか。
「現状維持は衰退」という強い信念のもと、常に変化を恐れずチームを進化させ続ける山田監督。その哲学と、データを基にした選手の「行動変容」を促すアプローチは、多くの指導者にとって大きな示唆に富むものでした。
お忙しい中、貴重なお話を伺わせていただき、誠にありがとうございました。名古屋高校サッカー部の益々のご活躍を心より応援しております。
S-CADE.はこれからも、データという客観的な力で、夢を追いかけるすべてのチームと選手たちを全力でサポートしてまいります。ご興味をお持ちのチーム関係者の方は、お気軽にお問い合わせください。